
毛髪移植のPDRN注射、なぜ使用するのでしょうか?
モディヘアプラントでは毛髪移植手術中に移植部位へPDRNを適用しており、手術翌日にも回復状態を考慮してPDRN注射を行っています。 PDRNは組織再生と創傷回復の分野で研究されてきた成分で、移植された毛包だけでなく周囲の皮膚組織の回復環境を考慮した手術プロトコルの一つとして使用しています。
毛髪移植時にPDRN注射がなぜ使用されるのか気になりませんでしたか?今回の記事では、PDRNの作用機序、関連する研究結果、そしてモディヘアプラントで手術プロトコルとして活用している理由を詳しくご説明いたします。
主な内容
- PDRNは組織再生と創傷回復の分野で研究された成分
- モディヘアプラントは2020年から手術プロトコルに適用
- 毛髪移植後の回復環境を考慮して使用
- 患者様の状態に応じてさまざまな定着プログラムとともに適用
PDRNとは何でしょうか?
PDRN(Polydeoxyribonucleotide)は、サケやマスのDNAから抽出したDNA断片で構成された物質です。
当初は皮膚再生と創傷回復を目的として研究され、その後さまざまな組織再生の分野へ活用範囲が広がりました。
近年では皮膚科、形成外科、再生医学の分野で広く使用されており、組織の回復を助ける成分として多くの研究が進められています。

PDRNはどのように作用するのでしょうか?
現在までに知られているPDRNの代表的な作用機序は大きく二つです。
1. DNA合成に必要な材料の供給
PDRNは、細胞が新しいDNAをつくる過程(Salvage Pathway)に必要な材料として使用されます。
これにより、損傷した組織の回復過程に必要な細胞活動を支援すると知られています。
2. アデノシンA2A受容体の活性化
近年の研究では、PDRNがアデノシンA2A受容体を刺激し、さまざまな生理学的反応に影響を与えうるという報告があります。
研究では
- 炎症性サイトカインの減少
- 血管形成の促進
- 線維芽細胞の活性
- 組織回復の促進
などに関連する機序が提示されています。
毛髪移植において、なぜ回復環境が重要なのでしょうか?
毛髪移植の成功は、単に毛包を移植することだけで決まるわけではありません。
移植された毛包が安定して定着するためには
- 血流の供給
- 組織の回復
- 炎症の管理
- 皮膚再生の環境
などを合わせて考慮する必要があります。
そのためモディヘアプラントは、このような回復環境を重要と考え、PDRNを手術プロトコルの一つとして適用しています。
毛髪移植の定着と回復のためにPDRNを使用する理由
毛髪移植では、数千個の毛包を非常に密に移植します。
患者様の立場では豊かな結果を期待できますが、
反対に皮膚組織にはかなりの負担となる場合もあります。
モディヘアプラントでは、こうした点を考慮し
移植された毛包だけでなく
毛包が定着する周囲の皮膚環境まで合わせて管理することを重要と考えています。
その過程の一つがまさにPDRNです。
このような理由からモディヘアプラントでは、手術中に移植部位へPDRNを適用し、手術翌日にも回復状態を確認しながらPDRN注射を実施しています。これは移植された毛包だけでなく、周囲組織の回復環境まで合わせて管理するための手術プロトコルの一部です。

実際の研究ではどのような結果があったのでしょうか?
現在、毛髪移植分野でPDRNのみを対象とした大規模な臨床研究はまだ多くありません。
ただし、皮膚移植や複合移植など他の組織回復の分野では、PDRNの回復に関連する効果が研究を通じて報告されてきました。
報告された研究では
- 移植片(移植組織)の生存率の改善
- 移植・手術部位の再上皮化(創傷回復)の促進
- 血管形成と組織再生の支援
- 炎症反応の減少
などに関連する結果が観察されました。
これらの研究は毛髪移植と完全に同一の条件ではありませんが、PDRNが組織回復環境に役立つ可能性を裏づける参考資料と見ることができます。
参考文献
Squadrito F, Bitto A, Irrera N, et al. Pharmacological Activity and Clinical Use of PDRN. Front Pharmacol. 2017;8:224. doi:10.3389/fphar.2017.00224 (無料閲覧)
Valdatta L, Thione A, Mortarino C, et al. Evaluation of the efficacy of polydeoxyribonucleotides in the healing process of autologous skin graft donor sites: a pilot study. Curr Med Res Opin. 2004;20(3):403–408. doi:10.1185/030079904125003116 (PubMed)
Heo J, et al. Effect of Polydeoxyribonucleotide on Chondrocutaneous Composite Grafts Survival. Aesthetic Plast Surg. 2019;43(4):1071–1077. doi:10.1007/s00266-019-01400-x (原文)
上記の参考文献は、皮膚移植の供与部の回復、複合移植片の生存、PDRNの薬理機序など、さまざまな組織再生の分野でPDRNの作用と組織回復効果を評価した研究です。毛髪移植の分野では、これらの結果をもとに活用の可能性が議論されています。

モディヘアプラントは定着環境を総合的に管理します。
モディヘアプラントは、一つの方法だけで定着を期待することはありません。
より良い回復環境をつくるため
患者様の状態に応じてさまざまな方法を合わせて検討します。
たとえば
- 毛包幹細胞治療
- PDRN
- 高圧酸素治療
- 頭皮の状態に応じた追加治療
などを合わせて適用し
回復環境を多角的に管理しています。
つまり、
毛包一つだけを見るのではなく
毛包と周囲組織がともに回復できる環境をつくることを目標としています。
2020年から継続して適用しています。
モディヘアプラントは2020年からPDRNを毛髪移植手術プロトコルに含めて適用してきました。手術中に移植部位へPDRNを適用することはもちろん、手術翌日にもPDRN注射を実施し、回復過程を管理しています。 患者様の状態によって適用方法は異なる場合がありますが、より安定した回復環境をつくるための取り組みの一つとして現在まで継続しています。
モディヘアプラントが重要と考えているのは「回復環境」です。

毛髪移植は、単に毛包をたくさん植える手術ではありません。
移植された毛包が安定して定着し
周囲組織が健康に回復できる環境をつくる過程も重要です。
そのためモディヘアプラントは
毛包分類システム、
オーダーメイド型の毛包分類容器、
PDRN、
毛包幹細胞、
高圧酸素治療など
さまざまな要素を合わせて考慮しながら
より良い手術結果のために継続的に研究しています。
よくあるご質問(FAQ)
Q. すべての毛髪移植手術でPDRNを使用しますか?
モディヘアプラントでは手術プロトコルの一つとして適用しており、患者様の薄毛の進行度と頭皮の状態を考慮して、さまざまな回復プログラムを合わせて適用します。
Q. PDRNは幹細胞ですか?
いいえ。PDRNは幹細胞ではなく、DNA断片で構成された組織再生に関連する成分です。
Q. PDRNだけで毛髪が生えますか?
PDRNは薄毛を直接治療する薬剤ではなく、組織の回復環境を助けるために使用する成分です。
Q. PDRNはいつ注射しますか?
モディヘアプラントでは毛髪移植手術中に移植部位へPDRNを適用しており、手術翌日にもPDRN注射を実施しています。
これは移植された毛包だけでなく、周囲の皮膚組織の回復環境まで合わせて管理するための手術プロトコルの一つです。適用方法は患者様の状態と手術計画に応じて医療スタッフが判断して進めます。
Q. 毛髪移植後にもPDRNを追加で受ける必要がありますか?
モディヘアプラントでは基本的に手術中にPDRNを適用し、手術翌日にもPDRN注射を実施しています。
その後、追加のPDRN治療が必要かどうかは、患者様の回復状態と頭皮の状態を確認したうえで医療スタッフが個別に判断します。必要な場合には、他の回復プログラムとともにオーダーメイドの管理計画をご案内いたします。
まとめ
モディヘアプラントは、「毛包をきちんと植えること」で終わらず、毛包が安定して定着できる環境をつくることまでが手術の一部だと考えています。
毛髪移植の過程で適用するPDRNもこのような理念をもとに使用しており、組織の回復と再生に関するさまざまな研究を継続的に検討しながら、患者様のお役に立てる治療プロトコルを発展させています。
🔻ユ・ファジョン院長が直接説明するPDRN手術プロトコル
本コンテンツはモディヘアプラントクリニックの医療スタッフの監修を経て掲載されています。