
毛髪移植と毛包幹細胞治療を併用すると、どのような効果があるのでしょうか?

毛髪移植は空いている部位を補う治療であり、毛包幹細胞治療は既存の毛髪の健康と密度を改善する治療です。
したがって、M字型の薄毛は毛髪移植でデザインを完成させ、頭頂部の薄毛は毛包幹細胞治療を併用する方法が適している場合があります。
今回の事例では、4000毛の毛髪移植と毛包幹細胞治療を併せて行った実際の患者様の6ヶ月経過をご紹介します。
なぜ毛髪移植だけでは頭頂部の薄毛が物足りない場合があるのでしょうか?
毛髪移植は必要な部位に新しい毛包を移して植える治療です。
しかし頭頂部には次のような特徴があります。
- 既存の毛髪が多く残っている場合が多い
- 薄毛が進行し続ける場合が多い
- 移植よりも既存の毛髪を活かすことが重要な場合がある
特に頭頂部は手術過程で既存の毛包に一時的な刺激が生じ、随伴脱落(Shock Loss)が現れる場合があります。
これは多くの場合一時的な現象ですが、既存の毛髪が弱い場合にはさらに注意が必要な部分です。
そのため頭頂部の薄毛は
✔ 毛髪移植だけでなく
✔ 薬物治療
✔ 毛包幹細胞治療
を併せて検討する場合が多くあります。
今回の治療事例


- 30代男性
- M字型の薄毛 + 頭頂部の薄毛
- フィナステリド服用 約1年以上
- 頭頂部の改善効果は不足していた状態
治療計画
- M字部位 : 4000毛の毛髪移植
- 頭頂部 : 毛包幹細胞治療
- 経過観察 : 2週間 → 3ヶ月 → 6ヶ月
M字部位はどのように変化したのでしょうか?




毛髪移植後2週間には移植毛が定着する時期であり、一時的な脱落が始まります。
約3ヶ月頃から新しい毛髪が生え始め、
6ヶ月になるとヘアラインが自然に完成し、密度も徐々に増加する様子が確認できます。
個人差はありますが、一般的に10ヶ月~1年まで密度が向上し続ける場合が多くあります。
頭頂部はなぜ毛包幹細胞治療を併せて行ったのでしょうか?
頭頂部はすでに毛髪が残っている場合が多くあります。
この部位は単に毛髪を植えるよりも
既存の毛髪を健康に維持し
太さを回復させることが重要な場合が多くあります。
今回の事例でも毛包幹細胞治療を併せて行い
- 既存の毛髪の太さの増加
- 毛髪密度の改善
- 頭皮環境の改善
を期待して治療を行いました。
6ヶ月後の頭頂部の変化




6ヶ月経過の写真では
初期よりも頭頂部の空いて見えていた部位が減少し、
既存の毛髪がより太く健康になった様子が確認できます。
毛包幹細胞治療は既存の毛髪が健康に育つことのできる環境を作る治療であるため
毛髪移植で補うことが難しい頭頂部の薄毛治療において併せて検討される場合があります。
毛髪移植と毛包幹細胞治療を併せて受けるとよい場合

次のような場合には併用治療を検討できます。
- M字型と頭頂部の薄毛が同時に進行している場合
- 既存の毛髪が多く残っている場合
- 頭頂部の密度をできるだけ維持したい場合
- 薬物治療だけでは満足のいく改善が難しい場合
- より自然な全体のボリュームを望む場合
治療方法は薄毛の進行状態と頭皮の状態によって異なる場合があるため、医療スタッフとの相談を通じて決定することが重要です。
よくある質問
毛髪移植と毛包幹細胞治療は必ず一緒に行わなければなりませんか?
必ず併せて行わなければならないわけではありません。薄毛のタイプと進行度合いによっては毛髪移植だけで十分な場合もあり、既存の毛髪を保存することが重要な場合には毛包幹細胞治療を併せて検討することもあります。
頭頂部の薄毛は毛髪移植より毛包幹細胞治療の方がよいですか?
頭頂部の薄毛の状態によって異なる場合があります。既存の毛髪が十分に残っている場合には毛包幹細胞治療が役立つことがあり、薄毛の範囲が広い場合には毛髪移植も併せて必要になることがあります。
毛包幹細胞治療の効果はいつ頃から見られますか?
個人差がありますが、一般的に数ヶ月にわたって変化を観察し、治療後の経過を継続的に確認することが重要です。
まとめ
毛髪移植は空いている空間を自然に補う治療であり、
毛包幹細胞治療は既存の毛髪を健康に維持するのに役立つことのできる治療です。
今回の事例のように、薄毛の形態に合わせて2つの治療を適切に併用すると、よりバランスのとれた結果を期待できます。
薄毛は進行状態と頭皮環境によって治療計画が異なるため、十分な診断のうえで自分に合った治療を選択することが重要です。

参考資料
- Gan Y, Du L, Wang H, et al. A Clinical Trial of Treating Androgenic Alopecia with Mesenchymal Stem Cell Suspension Derived from Autologous Hair Follicle. Plast Reconstr Surg. 2024;154(3):444–450. doi:10.1097/PRS.0000000000010841 (無料閲覧)
- Garg AK, Garg S. Enzymatic Dissociation and Identification of Hair Follicle Stem Cells for Reversing Miniaturization in Androgenetic Alopecia. Hair Transplant Forum Int. 2025;35(3):88–92. doi:10.33589/35.3.88 (原文)
上記の論文は自家毛包由来の幹細胞を用いた薄毛治療の臨床・実験研究です。紹介された事例および研究結果は特定の効果を保証するものではなく、治療結果は個人によって異なる場合があります。
本原稿はモディヘアプラント医院の医療スタッフの監修を経て作成されました。
本記事は実際の治療事例に基づいて作成されており、個人の薄毛の状態と進行度合いによって治療計画と結果は異なる場合があります。