
傷跡への毛髪移植 · ユ・ファジョン院長の動画症例
額リフト後の傷跡とヘアライン、あわせて確認すべき理由
額リフトや額縮小術の後に残った傷跡が気になる場合、毛髪移植で傷跡を目立ちにくく補う方法を検討できます。ただし、傷跡の状態や過去の手術歴、周囲の毛髪の分布を確認したうえで、適用の可否と範囲を判断する必要があります。
本記事では、モディヘアプラントのユ・ファジョン院長の動画症例をもとに、傷跡の部位と周囲のヘアラインをどのようにあわせて計画したのかをご紹介します。
3行まとめ
- 傷跡への毛髪移植は毛髪によって傷跡の露出を減らす方法であり、傷跡の組織をなくす手術ではありません。
- 過去の手術・施術歴、傷跡の組織の状態、周囲のヘアラインを確認して計画を立てます。
- 動画の術後2週間の写真は初期の経過です。最終的な生着と毛髪の成長の結果は、その後の経過を確認する必要があります。
傷跡への毛髪移植はどのような仕組みで補うのですか?
傷跡の部位やその周囲に毛包を移植し、伸びた毛髪が傷跡を覆うように配置する方法です。傷跡が見える範囲と既存の毛髪の向きを考慮して、カバー効果を計画します。
ただし、傷跡の色や盛り上がり・へこみまで、毛髪移植だけですべて解決できるわけではありません。傷跡のどの部分が気になるかによって、ほかの治療を先に検討したり、併用を検討したりすることがあります。
動画症例:傷跡だけでなく左右のヘアラインもお悩みでした
動画の患者様は、先天的な頭の形の左右非対称により片側にシリコンプロテーゼを入れた後、額への脂肪注入とフィラー、額リフトと額縮小術を受けた経歴がありました。ヘアラインのタトゥー歴もあり、複数の手術や施術をあわせて考慮する必要がある症例でした。
患者様が気にされていたのは傷跡だけではありませんでした。風が吹いたときや髪を結んだときに、横にくぼんだM字部分が見えてしまうこともお悩みでした。そのため、傷跡周囲の毛のない部分と、左右のヘアラインの見た目のバランスをあわせて確認する方向で計画しました。
この症例をご覧になる際の注意点
額リフト以外にも複数の手術歴があるため、現在の状態の原因を特定の手術ひとつに断定することはできません。動画では、この毛髪移植の方法を「部分刈り上げ(ライン状剃毛)」と表示しています。
傷跡の部位はなぜ別途評価が必要なのですか?
術後の傷跡組織は、通常の頭皮とは血流、厚み、硬さが異なる場合があります。同じ大きさの毛のない部分でも、組織の状態によって移植計画や期待できる結果が変わることがあります。[参考文献1]
過去の手術・施術歴
どのような手術をいつ受けたか、プロテーゼ・フィラー・脂肪注入をどの部位に行ったかを確認します。ヘアラインのタトゥー歴もあわせてお知らせください。
現在の状態と変化
傷跡の範囲と皮膚の状態、周囲の毛髪を確認します。最近も傷跡に変化があるか、気になる症状があるかも、カウンセリングで確認する内容です。
研究ではどのような可能性が報告されていますか?
2019年に発表された研究では、術後の頭皮の傷跡がある患者様15名の診療記録を後ろ向きに検討し、毛髪移植後12か月の時点で経過を評価しました。額リフト関連の傷跡2名と額縮小術の傷跡1名が含まれており、傷跡の外観評価の改善が報告されています。[参考文献1]
ただし、比較群のない小規模な研究であるため、すべての傷跡で同じ効果や生着を期待できる根拠とはいえません。モディヘアプラントの研究ではなく、今回の動画の2週間の写真とも別の資料です。
額を大きく下げるよりも、必要な部分を分けて計画しました
動画でユ・ファジョン院長は、額の中央を大きく下げる必要はないと説明しています。患者様のご希望を反映して中央はわずかに補いつつ、横にくぼんだ部分と傷跡周囲の毛のない部分を分けてデザインしました。
- 中央の高さ:むやみに大きく下げるのではなく、お顔と既存のヘアラインを見て補う範囲を決めました。
- 左右の側面:両側に同じ量を移植するのではなく、毛の少なく見える程度に合わせて移植量と配置を変えて計画しました。
- 傷跡の周囲:傷跡を隠すという目標と、周囲の毛髪とのつながりをあわせて考慮しました。
これはヘアラインの見た目のバランスを補った症例です。頭の骨格や既存のプロテーゼの形そのものを変える手術を意味するものではありません。
また、白髪の多い患者様のご要望により、黒いドナー毛をできる限り選別する過程も動画で紹介されています。これはこの患者様のご選択であり、移植毛が今後白髪にならないという意味ではありません。
術後2週間の写真では何がわかりますか?
今回の写真では、移植した位置と初期のヘアラインの形、その時点の皮膚の外観を確認できます。患者様も、左右で違って見えていた部分をあわせて補ったことについて、個人的な満足感を語っています。
初期の外観と最終的な結果は区別する必要があります。移植毛がその後どのように伸びるか、傷跡がどの程度隠れるか、周囲の毛髪と自然につながるかは、時間をかけて確認する必要があります。この写真だけで最終的な生着率や長期的な維持状態を判断することはできません。
傷跡への毛髪移植のカウンセリング前に、何を準備すればよいですか?
過去の手術後に傷跡が見えている、周囲の毛髪が薄く見える、髪を結んだときのヘアラインが気になるといった場合、カウンセリングで現在の状態と補える範囲を確認できます。以下の資料があれば、あわせてご準備ください。
- 過去の手術名と時期:額リフト・額縮小術などの手術記録と術前・術後の写真
- 施術・プロテーゼの情報:シリコンプロテーゼ、脂肪注入、フィラー、ヘアラインのタトゥーの部位と時期
- 傷跡の変化:最近の色や形の変化、痛みなどの気になる症状
- 希望する補正範囲:傷跡のカバー、中央の高さ、M字部分、左右のバランスのうちの優先順位
資料がすべてそろっていなければカウンセリングを受けられないわけではありません。覚えている経歴をまずお知らせいただき、服用中のお薬やこれまでの治療内容もあわせてお伝えください。
よくあるご質問
額リフト後6か月が経過すれば、すぐに毛髪移植を受けられますか?
経過した期間だけで決めることはありません。参考論文では過去の手術から少なくとも6か月が経過した患者様を対象としていましたが、これはその研究の条件です。実際の手術時期は、過去の手術内容と傷跡の安定性、組織の状態を診察したうえで決定します。カウンセリングの時期と手術の時期は分けてお考えください。
プロテーゼやフィラーが入っていても、傷跡への毛髪移植を検討できますか?
動画の症例にもプロテーゼとフィラーの経歴がありましたが、その事実だけでほかの方も同じ方法で手術できると判断することはできません。種類や位置、時期、現在の状態を確認する必要があるため、関連する記録をまず医療スタッフにお知らせください。
傷跡のある側だけを埋めれば、左右のヘアラインもそろいますか?
傷跡を隠すために必要な範囲と、左右のバランスのために必要な範囲は異なる場合があります。動画の症例でも、中央と両側面を分けて計画しました。傷跡の部位だけを対象とするか、周囲まで補うかは、既存の毛髪とヘアライン全体をあわせて見て判断します。
傷跡を隠すことと額を下げることを、一度に計画できますか?
2つの目標をあわせてご相談いただけますが、ご希望の高さと実際に補える範囲が同じとは限りません。動画のように中央はわずかに調整し、側面と傷跡周囲を補う計画も可能です。皮膚の状態とドナー部の毛髪、必要な移植範囲を確認して優先順位を決める必要があります。
傷跡と周囲のヘアラインをあわせてご相談ください
モディヘアプラントクリニックでは、過去の手術歴と現在の傷跡の状態、ご希望のヘアラインをあわせて確認し、補正の方向性をご相談します。傷跡のカバー、額の高さ、左右のバランスのうち、どの部分が最も気になるかをお知らせください。
お電話でのお問い合わせ:02-544-8659
ユ・ファジョン院長の動画でカウンセリングの過程をご確認ください
動画には、過去の手術歴を確認する過程、中央と側面を分けたデザイン、術後2週間のインタビューが収められています。記事の写真とあわせてご覧いただくと、部位ごとに異なる計画を立てた理由を理解するのに役立ちます。
動画は、複数の手術歴がある1名の患者様の初期経過を紹介するものです。ご自身の傷跡にも同じ計画を適用できるかどうかは、個別の診察で確認する必要があります。
参考文献および資料
[参考文献1] Yoo H, Moh J, Park JU. Treatment of Postsurgical Scalp Scar Deformity Using Follicular Unit Hair Transplantation. BioMed Research International. 2019;2019:3423657. DOI: 10.1155/2019/3423657. PMID: 31214613. 原文を見る.
[動画資料] モディヘアプラント. 額リフト後の毛髪移植、頭の形の非対称とヘアラインのお悩み解決のための毛髪移植症例. 2023年11月23日公開. YouTube動画を見る.
[クリニックのご案内] モディヘアプラントクリニック. 傷跡への毛髪移植のご案内. クリニックの診療案内資料であり、学術研究とは区別されます。
本記事は一般的な医学情報と個別の症例を紹介するものであり、診断・処方に代わるものではありません。傷跡の状態や過去の手術歴によって、適用の可否、生着と成長、カバー効果および回復の経過は異なる場合があります。手術には感染・出血・傷跡・生着不良などのリスクがあり、治療の可否と方法は医療スタッフの診察後に決定します。